ここ2~3日の豪雨と湿度の影響で、陶器の品物が乾きません。
この仕事は天気とにらめっこ。
作陶は気温と湿度に左右されます。粘土の状態からロクロで引いた品物は、
ベタベタの状態なので、それを半乾きまで乾かして削り、
もう少し乾いたら粉引き化粧、そして完全乾燥後に素焼き、
本焼きと肯定が進みます。
一つ一つ肯定が進むごとに、乾燥させるような感じです。
乾燥具合も色々あって、急乾燥が必要な時もあれば、
じっくりゆっくり乾かす場合もある。
常に硬さを気にしながら、加工に最適な状態に持っていく、
作業の半分は品物の管理なのです。
そんな作業をしながら、ふと感じた事は 昔の陶工は?
土を掘り、精製して練り、ロクロで引き、マキで焼く、
すべてが自然との対話だったんだなと思います。
陶芸とは、自然と対話しながら出来上がって行くものなんだと思えたら、
この湿った天気も まあ仕方ないか と思えてきました。
知り合いの窯焚きを観に行った事が何回かありますが、
5日ほど眠らず、ただマキを放り込み、火と対話する光景は、
沢山の作業工程の最後に相応しい行為だなと思います。
昔の陶工は今より沢山自然と対話しながら作陶していたんですね。